JALが2016年12月12日から新しい特典航空券「どこかにマイル」の販売を開始します。
羽田空港発着のみですが、なんと6000マイルで日本のどこかを往復できるという面白い特典航空券です。
この新しい商品はJALと野村総研が開発したものです。
JALの国内線の搭乗率は70%とJALが発表しているので、残りの30%をうまく埋めるための商品となります。
混んでいる路線を避けて、搭乗率をコントロールしながら、空いている席を埋めていくのが野村総研の腕の見せどころでしょう。
近い将来の搭乗率の予測も必要な商品ですので、AI技術なども使われていると予想されます。
それでは、「どこかにマイル」の詳細を説明していきましょう。
ランダムに表示される行き先
行き先候補がランダムに4箇所表示されます。
これが「どこかにマイル」の最大の特徴です。
例えば
- 石垣島へ
- 札幌(新千歳)へ
- 山形へ
- 高知へ
申し込みを行った時点で、この4箇所のどこかへ行くことになります。
石垣島へ行きたいと思っても、札幌(新千歳)に飛ばされることもあります。
リロードするたびに、この4箇所の候補は変わるので、行ってもいいと思える4箇所が表示された時点で申し込むことになります。
4箇所まで絞り込みができるのはいいですね。
利用日は往路搭乗日の1ヶ月前から7日前までで、出発・到着の時間帯は5種類から選択可能ですので、ある程度、自分の都合に合わせることができます。
友達の特典航空券も申し込める
JALもANAも従来は特典航空券の申し込みは2親等までです。
でも、「どこかにマイル」は友達の特典航空券まで申し込めます。最大4人までです。
利用者の幅を拡大したうまい設計になっています。
友達を誘ってミステリーツアー感覚で旅行すると新鮮かもしれません。
ワクワクの結果は申し込みから3日後
4箇所の候補から行き先が決定するのは、申し込みから3日後です。
3日後からホテルの予約や観光地を探すことになります。
気をつけないといけないのは、目的地が決定して、たとえ行きたくなかったとしても、キャンセルできないということです。
これで空いている路線を効率良く埋めて行くわけですね。
どこかにマイルのメリット
どこかにマイルの最大のメリットはたった6,000マイルで往復の特典航空券がとれることに尽きます。
JALの東京発着の往復特典航空券に必要なマイル数を下記の表にまとめました。
東京発の国内線特典航空券 対象路線 |
<通常マイル> 2017年3月31日までの 引き落とし |
<通常マイル> 2017年4月1日 以降の 引き落とし |
ディスカウントマイル | JALカード割引 |
---|---|---|---|---|
大阪 名古屋 秋田 山形 小松 | 12,000 | 12,000 | 10,000 | 9,500 |
札幌 福岡 沖縄 女満別 旭川 釧路 帯広 函館 青森 三沢 南紀白浜 岡山 出雲 広島 山口宇部 徳島 高松 高知 松山 北九州 大分 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 奄美大島 |
15,000 | 15,000 | 12,000 | 11,500 |
久米島 宮古 石垣 | 20,000 | 20,000 | 対象外 | 対象外 |
最大で20,000マイル、最小でも9,500マイルです。
6,000マイルは相当ディスカウントされていることが分かります。
どこかにマイルのデメリット
実際に始まってみないとわかりませんが、この企画はJAL側の立場に立つと、「空いている席を埋めるためのもの」です。
これが何を意味するかというと、4つの候補地が表示されたとしても、繁忙期、人気の路線、人気の時間帯は選択されないということです。
夏休み期間中に沖縄路線で朝発着のチケットは絶対にとれないと思った方がいいです。
これはデメリットの一つですが、実際に販売が開始されると、傾向が見えてきて、戦略を練ることができるようになるかもしれません。
例えば、沖縄でも発着時間帯が夜なら、意外と選択されるとか。
もう一つのデメリットはキャンセルが一切できないということです。
普通の特典航空券は手数料(マイル)を払えばキャンセルすることができます。
しかし、どこかにマイルで取得した特典航空券は一切キャンセルすることができません。
まぁ、6,000マイルくらいなので割り切れるマイル数です。
最後に
どこかにマイルは非常に面白い企画なので、記事として取り上げました。
マイル数といい、仕組みといい、さすが野村総研が設計しているだけのことはあります。
バランスの取り方がうまい。
「どこかに旅行でも行きたい。」
「でもなかなか行き先を決めかねている。」
というときに、運任せで利用するくらいの感覚で利用するのが一番いいと思います。
ぜひJALマイルを貯めて利用してみてください。