ANAとJALの特典航空券の取りやすさ(予約しやすさ)の比較データはマイラーにとって非常に気になる情報です。2015年現在のマイルの貯めやすさを比較すると、感覚的にはJALのほうが特典航空券を取りやすいのは明確です。
マイルを「貯める」ことと、「使う」ことは密接に関係しているので、私も広告費を使ってFacebook等でアンケートを実施してもいいのですが、ネットエイジア株式会社が2014年、2015年にアンケートを実施していましたので、データを引用させてもらいます。30歳~59歳のビジネスパーソン1,000名のアンケートデータなので、多少偏ったデータですが非常に参考になります。アンケート対象者の男女比は7:3で、年齢は大体均等です。
ANAとJALの特典航空券の取りやすさ比較
<特典航空券が取りやすいと思う割合>
ANA | JAL | |
---|---|---|
2015年 | 55.9%[n=211] | 67.6%[n=216] |
2014年 | 60.0%[n=105] | 66.7%[n=90] |
データとしてN数がそれほど多くないとはいえ、注目すべきはANAの特典航空券の取りやすさの割合が減少しているということです。特典航空券が取れないのであればいくらマイルを貯めても意味がありません。マイレージのビジネスモデルにおいて、マイルの貯めやすさと特典航空券の取りやすさのバランスをとることが最も重要であるといっても言い過ぎではありません。
ANAの特典航空券の取りやすさの割合が減少した原因
ANAの特典航空券の取りやすさの割合が減少した原因の一つはANAのマイルが以前よりも貯めやすくなっていることが挙げられます。ANAマイルの流通量が増えれば増えるほど当然特典航空券予約の競争率が高まります。
マイルの膨大な流通量から考えると、大きな影響はないとは思いますが、ソラチカカード特典のポイントサイトのポイントからANAマイルへの高い交換率も多少は影響しているかもしれません。
電子マネー市場全体を見ていると、ANAもJALもマイルへの交換率は50%(1マイル=2円)が定常状態のようです。
このようなイメージで、50%の定常状態からの上乗せ分は各種ポイント運営会社がキャンペーンなどを行い、コストをかけて交換率をアップしています。
私もANAマイルをためるためにソラチカカードを推奨しているわけで、これまでに数百人の人が私の紹介でソラチカカードを作成し、クレジットカード会社の会員増に貢献しているわけです。そして、クレジットカード会社は会員からクレジットカードの利用手数料収入を得て、その収入をマイル還元特典の一部に充てるという循環になっています。この循環がうまくまわっている限り、ソラチカカードのマイル還元特典はなくなりません。しかし、景気の影響など外部要因でこの循環が崩れることがありますので、注意が必要です。
今がANAマイルのボーナスステージだと思って、今のうちにANAマイルを貯めましょう。JALもちょっとキャンペーンが増えてきそうな雰囲気はあります。
特典航空券の取りやすさとマイルの貯めやすさのバランスをとるためには
特典航空券の取りやすさとマイルの貯めやすさのバランスをとるための施策としては
- マイルの流通量を減らす(マイルを貯めにくくする)
- マイルから他のポイントへ交換を促す
- 特典航空券の取得枠を増やす
などが挙げられます。
マイレージのビジネスモデルを成長させるためには、マイルの流通量を減らすべきではありません。マイルを貯めにくくするのは最後の手段になります。
マイルから他のポイントへの交換を促す施策はANAはすでに行っていて、例えばSKYコインへ交換しやすくする制度を設けたり、様々なポイント管理会社と提携して交換を促しています。
特典航空券の取得枠を増やすのは難しい問題で、他の席を奪うか、増便するしかありません。増便するのは大きなコストがかかる話なので後回しになります。航空会社は特典航空券で席を取られるより、正規料金を払ってもらったほうが利益率が大きいので、特典航空券で予約できる席の枠を広げることには慎重になります。どれだけ空いた席に特典航空券のお客さんを入れ込むかが課題です。例えば、キャンセル待ちに特典航空券のお客さんをいれてもいいのかなと思います。優先順位は最後でいいので。
ビッグデータを解析しながら、マイレージのビジネスモデルを考えるのは非常に面白そうですね。最近流行りのデータサイエンティストの領域です。私もこの手の仕事には興味があり、大学生に戻れるなら真剣に勉強してみたい分野です。
まとめ
JALに比べて、ANAの特典航空券の取りやすさの割合は減少傾向です。(ちょっとデータ数は少ないですが)
ANAマイルの流通量が増えている(ANAマイルが貯めやすくなっている)ことが一因だと推測されます。
ANAよりも特典航空券が取りやすいJALマイルを貯めるのも一つの作戦です。
マイレージのビジネスモデルは我々がなんとかできる問題ではないので、ANAやJALに期待して、私たちはマイルをたくさん貯めて、たくさん使うことに専念しましょう。私はメール講座で引き続きフォローしていきます。