「頑張ってANAマイルを貯めたのに、マイルを使って、いざ特典航空券を取ろうと思ったら席が空いていない。せっかくマイルを貯めたのに。」
こんな声を耳にするようになりました。
確かにここ最近、ANAマイルを使った特典航空券では席が取りにくくなったと私も感じています。理由は「ANAマイルが比較的貯めやすくなってきたから」です。マイルを広く貯めやすい環境をつくるというのは、リーマンショック以降のANAの戦略なので、こうなったのは必然といえば必然でしょう。
しかし、このままではマイルを貯めて、特典航空券をとりたい人の不満が爆発してしまいます。ANAがこのまま何も対策しないのかというとそんなことはありません。今後のANAの戦略を予想しつつ、我々ANAマイラーが今後、どう行動すればいいのか説明します。
まずはANAマイレージのビジネスモデルから説明します。
ANAマイレージのビジネスモデル
ANAマイレージクラブ(AMC)のビジネスモデルは下記のようになっています。
ANAはANAマイレージクラブ会員から航空運賃収入をもらってマイルを付与するだけではなく、マイルを提携企業に販売する事業を行っています。これは提携企業が自社商品やサービスの販売促進んため、自社の顧客に付与しているポイントをANAのマイルに交換できるようにする場合、その提携企業からマイルフィー(マイル販売収入)を得るというものです。ANAマイレージクラブの会員数は2,500万人を超えており、この会員を顧客戦略に生かしたいと考える企業は多いのです。
リーマンショック以降、ANAはビジネス需要の急減に見舞われた教訓から、ビジネス以外で利用する人たちにANAマイレージクラブ会員の裾野を広げる方針を打ち出しました。そして、クレジットカードの利用やポイントサイトをはじめ、日常生活でもマイルが貯めやすくなるように提携先を広げています。
ANAマイルの消費先
次に我々が貯めたANAマイルの消費先について説明します。
▪️飛行機でマイルを使う
- ANA国内線・国際線特典航空券
- アップグレード特典
- ANA航空券(ANA SKYコイン利用)
- 提携航空会社特典航空券
▪️日常生活でマイルを使う
- ツアー商品(ANA SKYコイン利用)
- 宿泊・飲食
- ANAショッピング
- クーポン特典
- Edy、楽天ポイント他、電子マネーへ交換
大きく分けて、飛行機での消費と、日常生活での消費に分類できます。
このうち日常生活でマイルを消費する使い方はオススメしません。交換効率が悪いものが圧倒的に多いからです。やはり、ANAマイルを貯めたからには、マイルを使って飛行機関連のサービスを利用すべきです。
ANAの動向
今回問題にしているのは飛行機利用の中で
「ANA国内線・国際線特典航空券で予約がとりにくい」
ことです。
最近、多くのマイルを貯めることができるようになった人が増えています。マイルを貯める第1の目的が特典航空券であることは間違いないので、必然的に特典航空券で座席がとりにくくなります。ANAにもお客さんからのクレームがたくさん入っているのでしょう。最近、ANAは必死にマイルの消費先を増やして分散させる施策をうっています。
いくつか紹介します。
提携航空会社特典航空券で合計100万マイルプレゼント
ANAではなくて、スターアライアンスグループの提携航空会社を積極的に利用するように促すためのキャンペーンです。他の提携航空会社にお客さんを流すことで、自社の特典航空券利用者を減らすことができます。もちろんキャンペーンですので、コストがかかりますが、たったの100万マイル。1マイル=1円と仮定すると、たった100万円のコストでANAの特典航空券利用者の数を減らすことができます。たった100万円でユーザの不満を緩和できるので、ANAにとっては大したコストではありません。非常に巧い作戦です。
ANAマイルからANA SKYコインへの交換比率見直し
ANAは2014年4月1日からANA SKYコインの交換レートを大幅に改善しました。これも特典航空券の予約を抑える効果があると思っています。しかも、交換マイル数に応じて、ANA SKYコインへの交換コイン数の倍率を変えることで、たくさんマイルを持っている人にお徳感をだしているところが巧いですね。また、9,999マイル以下はANA SKYコインへの交換倍率が1倍なので、明らかに損をする交換レートのはずなんですけど、「1マイルから交換でき、マイルを無駄にしない」とアピールすることで、お徳感を出しています。これもまた巧いですね。
特選フライト
空席がある限り、特典航空券で席がとれるキャンペーンです。国内では沖縄、北海道が定番になりつつあり、海外でも徐々にキャンペーンをはじめています。これもまた、特典航空券で席が取れないことを改善する施策です。
我々ANAマイラーの今後の方針提案
それでは、我々ANAマイラーは今後、どうすればいいのか考えてみました。
特典航空券狙いは継続
これまで通り、特典航空券狙いでマイルを貯めることは絶対に継続です。ANAも頑張って、色々な施策を打ってきています。改悪、改悪と文句をいうのはやめて、ANAの努力に期待しましょう。多少日程に余裕をもって席を確保すれば、十分特典航空券でも予約がとれます。しかも特典航空券ならフライトの直前まで手数料をかけずに予約変更が可能です。2ヵ月先まで予約を伸ばすことができます。最悪、3000マイルのキャンセル料を払えば、残りのマイルは戻ってきます。我々にとって、3,000マイルは大したマイルではありません。
ANA SKYコインへ高い交換率で交換する
旅行の日程優先でどうしても特典航空券で席がとれない場合は、ANA SKYコインの利用です。しかし、我々はANAマイルを大量に貯める方法を知っているわけですから、1.0倍の等価交換なんてことは絶対にしてはいけません。
狙うのは交換倍率1.5倍または1.6倍です。
つまり、最低50,000マイル以上を必ず交換するようにします。私が提案しているマイルを貯める仕組みをマスターすれば、50,000マイルなんてあっという間にたまります。ANA SKYコインは現金で買うのと同じ航空券が購入できるので、特典航空券に比べて、チケットは非常にとりやすくなっています。
SFCを獲得して特典航空券の隠し枠を狙う
ANAの上級会員(ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズ)とSFC会員には国際線特典航空券の特別枠が設けられています。上級会員でマイレージクラブにログインし、チケットを予約しようとすると、隠された席が予約できます。
残念ながら国内線の特別枠はありませんが、国際線特典航空券の特別枠は非常に魅力的です。一般会員より少しでも優遇されていることで、チケットが取りやすくなっています。
SFCの取得に関しては次の記事を参考にしてください。
誰も語らなかった新しいANA SFC修行提案
SFCを狙う機会があれば、ぜひ狙ってみてください。
最後に
我々マイラーにとって必要なのは
様々な状況への対応力
です。
「マイレージが改悪された」、と嘆き、マイルを貯めるのをやめる人も多いですが、嘆く必要はありません。マイレージのビジネスモデルはANAをはじめ航空会社がビジネスを続けていく上で絶対に欠かせません。マイルを貯める人が大きく減少すれば、ANAの収益が大きく減少します。
ANAのビジネスモデルを理解していれば、すぐに分かることですが、ANAがマイレージを利用するお客さんの不満を放置しておくはずがないのです。マイレージのビジネスモデルは微妙なバランスを保ちながら成り立っています。今回の特典航空券の問題のように、歪みが生まれれば、その歪みを修正するのがANAの責任でもあります。
我々はANAを信じてマイルを貯め続けていきましょう!!!