「ANAマイルは貯めやすい」というのが、陸マイラーのみならず、一般的に浸透していることかと思います。私の友人・知人の間でポイントサイトやソラチカカード特典を知らない人でさえ、JALよりもANAのマイルを貯めている人のほうが多いです。
感覚的には理解していましたが、今回、その理由がITMediaによるANAへの取材により明らかになりました。なんとなくANAマイルのほうが貯めやすいのではなく、ANAのしっかりとした戦略の元、そうなっているのが分かりました。
本記事では、インタビューから分かったANAのマイレージ戦略を説明し、個人的なANA・JALの今後のマイレージ戦略の方向性予測についても紹介します。
<目次>
ANAの迫られたマイレージ戦略転換
ANAがマイレージに関する戦略を本格的に変更した転機は2002年のJAL(日本航空)とJAS(日本エアシステム)の経営統合だったそうです。2002年以前は「国際線のJAL、国内線のANA」と言われていたのはご存知でしょう。国内線はシェアの半分をANAがとり、残りをJALとJASが分け合うという状況。しかし、JALとJASが統合することで、国内線でも同等のシェアとなり、国際線ではJALに勝てないという状況になりました。フライトでしかマイルを貯めることができない状況では、国内線、国際線の総合力でANAはJALに勝つことができないと、ANAは結論付けました。
そこでANAが考えたのが
「マイレージプログラムを身近にする」
という発想です。
もう少し噛み砕くと、
「マイルを貯める機会、使う機会を増やす」
ということです。
そのための初めの戦術が実は電子マネー「Edy」との連携でした。
ANAマイルとEdyの深い関係
ANAのマイレージのビジネスモデルは大きな転換点を迎えます。
ANAマイルをEdyに交換して、特典航空券以外に使えるようにするというのは当時の大きな決断だったと思います。それまではマイルは特別な存在で、フライトでマイルを貯めるか、ANAのクレジットカードで貯めたポイントをマイルに移行するというルートしかなく、使い道も特典航空券へ交換するしかありませんでした。
そこに新しい逆方向のルートが加わります。それがANAマイルからEdyへの交換です。電子マネーEdyが普及することに関しては、当時それほど疑わしいものではありませんでした。全国に広がるであろうEdyを使って、ANAのマイルを一般的に浸透させようというのが、ANAの新しい狙いでした。
この方針はANAの社内では大きな反対勢力があったと予想されます。これまで守ってきたビジネスモデルを変更するわけですから、それは容易に想像できます。JALとJASの統合で危機感を煽り、社内を説得したのでしょう。このビジネスモデルを推し進めた担当者には敬意を表します。
結果はご存知のとおりです。ANAマイルとEdyの連携により、日本では、ぐっとANAマイレージの知名度があがり、身近になってきました。もちろんEdyとの連携だけではなく、電子マネー、各種ポイントと連携することで、まさにANAが目指したGoalへ向かっています。
ではANAの戦略は成功したと言えるのでしょうか?
ANAのマイレージ戦略は成功したのか
現在、Edyだけではなく、相当な種類のポイントとANAマイルを相互交換できるようになっています。
私がANAマイルを溢れるほど貯めることができるようになったキッカケはポイントサイトのポイント交換先にANAマイルが含まれていたからです。(潜在意識に擦り込まれていました。)
ソラチカカードの出現によって、ANAマイルを貯めるスピードは格段にあがったのはラッキーでしたが、ソラチカカードがなかったとしても、ANAマイルを貯めていたかもしれません。
ANAが戦略として思い描いていた「マイレージプラグラムを身近に」という世の中になってきています。
マイルを貯めるなら「JALよりANA」と思わせることができればANAの戦略は成功したといえます。事実、私自身は圧倒的にJALよりもANAのほうがマイルを貯めやすいと思っています。
今後も、様々なポイントとマイルを連携させる戦術は続けていき、「マイレージプラグラムを身近に」というスローガンは継続していくのではないでしょうか。
今の日本国内の現状をみると、個人的にはANAの戦略は成功したと考えています。
ANA・JALの今後のマイレージ戦略の方向性予測
ANAの戦略は少なくとも日本では根付いてきており、2015年からはJALがANAを追従しはじめました。徐々に徐々にですが、JALマイルも身近な存在になり始めています。
つまり、今後も、ANA、JALは他のポイントや電子マネーを取り扱っている企業との連携をますます強める方向に向かっていくと推測されます。特にJALはここ2、3年で、巻き返しをはかっていく必要があります。
最後に
ANAのマイレージを貯めやすくなったと感じることができるようになったのは
「マイレージプログラムを身近にする」
というANAの方針のもと、行われてきたことが分かりました。
この流れは今後も継続していくはずです。私もマイレージのビジネスモデルに関しては継続してみておくようにします。
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